徒然なるままにQM

ただのメモ帳

ワイル不変の意味

1巻p.15によるとポリヤコフ作用は世界面のワイル変換に対して不変になっている。これは南部・後藤作用にはなかった。どうしてこのような対称性が現れたのか。

まず2次元のスカラー場の作用は

$ S=\int d^2x \gamma^{ab}\partial_a\phi \partial_b\phi $

とかける。スカラー場が$N$個あれば

$S=\int d^2x \gamma^{ab}\partial_a\phi^\mu \partial_b\phi^\mu$

とかける。$\mu$は$0$から$N-1$まで走る。$\gamma^{ab}$は運動項を持たないので補助場である。これがポリヤコフ作用であった。$\gamma_{ab}$について変分をとるとEOM

$\sqrt{\gamma}\gamma_{ab} = \sqrt{\mathrm{det}\partial_c\phi^\nu \partial_d\phi^\nu}\partial_a\phi^\mu \partial_b\phi^\mu $

を得る。これを作用に代入すれば南部・後藤作用になる。

さて、$\phi^\mu$を標的空間の座標だと思って$X^\mu$と書いてやり、添え字の和も時空の計量$g_{\mu\nu}$を用いれば

\begin{align} \sqrt{\gamma}\gamma_{ab} = \sqrt{\mathrm{det}h}g_{\mu\nu}\partial_a X^\mu \partial_b X^\nu \label{eom}\end{align}

となる。ここで

$h_{ab} = g_{\alpha\beta}\partial_a X^\alpha \partial_b X^\beta $

である。式(\ref{eom})から$\gamma_{ab}$は誘導計量に比例していることがわかる。つまりこのEOMを通して初めて、世界面が標的空間に埋め込まれるのである。このEOMは$\gamma_{ab}$のワイル変換の対称性を持つ。すなわち、この方程式から$\gamma_{ab}$を一意に決めることはできず、ワイル変換分の自由度を持つことになる。これは、ワイル同値な世界面は、標的空間に全く同じに埋め込まれることを表している。

例えると、(ポリアコフ作用の)世界面の理論として半径$1$の$S^2$も半径$10$の$S^2$も標的空間に埋め込むときは全く同じ$S^2$になるということである。したがって、標的空間上の実体の弦からすると、このワイル対称性はRedundantなもので、まさにゲージ対称性である。

 $\gamma_{ab}$は補助場であり経路積分の時には結局運動方程式で消えてしまうことを考慮すれば、南部・後藤作用と等価であり、つまりポリアコフ作用は対称性の冗長化によって扱いやすい理論に変換することに成功したのである。